2006年07月09日

アンテナ・質問 『今はもうない―SWITCH BACK』

観察に先立って、確固とした目標がイメージできなければ、人はものを見たことにはならない、といっても過言ではない。認識するためには、予め用意された仮説が必要なのである。
第一、第二、第三、第四と、次々に出現した仮説は、すべて成り立たないことがわかった。ほんのちょっと現実と比較してみるだけで、不可能であることが判明したのだ。まさに、空論。まさに、虚説であった。私は、こんな実体のないものに振り回されていたのである。

 おそらく、人間社会の日常でも、これと同類のことが何度も繰り返されていることだろう。ちょっとしたことなのに確かめもせず、人はどんどん妄想を広げる生きものなのだ。きっと妄想を望んでいるのだろう。

今はもうない―SWITCH BACK
森 博嗣
講談社 (2001/03)
売り上げランキング: 56,364
★2 小説

確かめもせずに自分で納得してしまうことの危険性を感じた。
ものごとを事実として見ていくには、仮説をもってみなくてはならない。アンテナを立てる、質問を持って見るといわれるのも類似のこと。

Comment on "アンテナ・質問 『今はもうない―SWITCH BACK』"

"アンテナ・質問 『今はもうない―SWITCH BACK』"へのコメントはまだありません。